高校の学費はいくら?公立と私立の平均と支援策3つ

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子どもの高校進学に向けて、「公立と私立で学費はいくら違うのか」「授業料以外にどんなお金がかかるのか」と不安を感じる保護者は少なくありません。本記事では、高校3年間で必要となる費用の目安から、塾代や受験費用など見落としがちな支出、公立・私立別の学費の違いまで整理します。あわせて、高等学校等就学支援金や児童手当、高校生等奨学給付金といった公的支援、教育ローンや積立・投資による準備方法も紹介し、高校・大学進学のお金を具体的にイメージできるよう解説します。

高校進学に必要な費用の全体像

高校にかかる主な費用の種類

高校進学に必要な費用は、単に「授業料」だけではありません。文部科学省の調査をもとに整理すると、高校で発生するお金は大きく次の4つに分けられます。

  • 授業料・入学金などの学校教育費(授業料、入学金、教科書・教材、修学旅行費、クラブ活動費、通学費など)
  • 給食のある学校の場合の学校給食費(全日制高校では多くが給食なし)
  • 塾・習い事・検定試験などの学校外活動費
  • 高校卒業後の進路に関わる大学受験費用(受験料・交通費・宿泊費、予備校代など)

高校3年間でみると、公立と私立では総額が大きく異なります。令和3年度の平均では、

  • 公立高校:約154万円(3年間の合計)
  • 私立高校:約316万円(3年間の合計)

が目安です。さらに、高校在学中から大学受験のための費用も発生するため、「高校3年間+大学受験費用」をまとめて計画しておくことが、教育資金準備の第一歩になります。次の見出しで、公立・私立別の具体的な内訳を詳しく見ていきます。

高校3年間でかかる費用の内訳

高校3年間でかかる主な費用の内訳

高校にかかるお金は、大きく分けて「学校教育費」と「学校外活動費」に分かれます。文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度)」をもとに3年間分を合計すると、平均額は次のとおりです。

区分 1年間の平均 3年間の平均
公立高校の学費総額 約51万円 約154万円
私立高校の学費総額 約105万円 約316万円

学校教育費には、授業料・入学金・教科書や教材・制服・修学旅行費・クラブ活動費・通学費などが含まれます。一方、学校外活動費には、学習塾や通信教育、家庭教師、習い事、スポーツ・文化活動、地域活動、検定受験料などが含まれます。

公立高校では年間約31万円が学校教育費、約20万円が学校外活動費の平均です。私立高校では年間約75万円が学校教育費、約30万円が学校外活動費とされ、特に私立は授業料など学校教育費の比率が高いことが特徴です。どの程度塾や習い事にお金をかけるかによって、3年間の総額は大きく変わります。

授業料以外にかかるお金と注意点

授業料以外に必要になる主な費用

高校の教育費というと授業料に注目しがちですが、実際には授業料以外の支出のほうが総額で大きくなりやすい点に注意が必要です。主な項目としては、入学金・教材費・制服代・通学費・部活動費・修学旅行費・検定受験料などが挙げられます。これらは学校やコースによって金額差が大きく、同じ公立高校でも数万円〜十数万円単位で違いが生じることがあります。

区分 主な項目 かかりやすいタイミング
初年度のまとまった費用 入学金・制服・体操服・指定靴・カバン・教科書・タブレット端末等 入学決定〜1年生前期
毎月・毎学期の費用 通学定期代・昼食代・部活動費・PTA会費など 在学期間を通して継続
不定期の一時的な費用 修学旅行・合宿・検定試験・卒業関連費用 2〜3年生を中心に発生

授業料以外の費用で注意したいポイント

授業料以外の費用は、学校案内のパンフレットでは全体像が分かりにくい場合があります。進学先を検討する段階で、「入学時に一括で必要な金額」「毎月のおおよその支出」「2・3年生で増える費用」を学校説明会や在校生の保護者から確認しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

また、最近はタブレット端末や電子教材の導入、海外研修などにより、一部の学校で追加負担が増えているケースもあります。公的な就学支援金は授業料分の支援が中心のため、入学金や教材費・通学費などは基本的に自己負担になる点も押さえておきたいところです。入学の年は特に出費が集中するため、あらかじめ「入学準備用の積立」をしておくと家計への負担を抑えやすくなります。

公立高校に通う場合の学費の目安

公立高校に進学する場合、文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度)」によると、高校3年間の平均学費は約154万円(年間約51万円)です。年間の内訳は、授業料や入学金・教材費などの「学校教育費」が約31万円、塾や習い事などの「学校外活動費」が約20万円となっています。

公立は私立より負担が小さいものの、入学時には制服・指定用品・通学定期券などの初期費用がかさみ、1年目の支出が多くなる傾向があります。また、部活動の合宿費や修学旅行費など、行事のタイミングでまとまった出費も発生します。

学校外活動費では、特に塾代の負担が大きく、進学方針によって年間支出が大きく変わります。公立高校を選んでも、「授業料は安いのに、塾代で想定よりお金がかかった」というケースが多いため、3年間で150万円前後+進路次第では塾代上乗せというイメージで資金計画を立てておくと安心です。

公立高校の授業料・入学金・教科書代

公立高校の授業料は、国が定める標準額で年間118,800円です。2020年に拡充された「高等学校等就学支援金制度」を利用できれば、この授業料相当額が支給されるため、実質的に授業料負担はゼロになります。ただし、就学支援金は学校に直接支払われる仕組みのため、保護者が受け取るお金ではなく、「授業料が相殺される」と理解しておくと分かりやすいでしょう。

公立高校では授業料のほかに、入学時に数万円程度の入学金、教科書代や副教材費、通学費などが必要です。文部科学省の「子供の学習費調査」によると、公立高校の「学校教育費」(授業料・入学金・教材費・修学旅行費・通学費などの合計)は、1年間で約31万円が平均です。就学支援金で授業料が軽減されても、入学金や教科書代などは自己負担となるため、「入学初年度はまとまった支出がある」と考えて準備しておくことが重要です。

部活動・制服・修学旅行などの学校外費用

公立高校では授業料や教科書代以外にも、部活動・制服・修学旅行などの費用負担が発生します。文部科学省の調査では、公立高校の学校外活動費は年間約20万円(3年間で約61万円)とされており、家計への影響は小さくありません。

代表的な費目とおおよその負担イメージは次のとおりです。

費用の種類 内容の例 負担が発生しやすいタイミング
部活動費 部費、ユニフォーム・道具代、大会遠征費など 入学直後~継続的
制服・体操服 制服一式、体操服、上履き・通学靴など 入学時・サイズ変更時
修学旅行費 交通費、宿泊費、諸経費 主に2年次が多い
その他学校行事 合宿、課外活動、文化祭・体育祭の材料費など 年数回

とくに運動部に所属する場合は、ユニフォームやシューズ、合宿費用などで支出が増えやすく、文化部でも楽器や画材などの購入が必要になる場合があります。制服についても、公立であっても一式そろえると数万円単位になることが多く、兄弟姉妹でおさがりが使えないケースでは負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。

授業料は就学支援金制度で軽減できても、これらの学校生活を充実させるための費用は自己負担が中心です。公立高校を選ぶ場合も、入学前に部活動や修学旅行の費用感を学校に確認し、3年間でどの程度の金額になりそうかをざっくり試算しておくと、家計の計画が立てやすくなります。

私立高校に通う場合の学費の目安

私立高校に進学した場合、高校3年間でかかる学費は平均約316万円(年間約105万円)とされています(文部科学省「子供の学習費調査」令和3年度)。公立高校(3年間で約154万円)と比べると、概ね2倍前後の負担になるのが目安です。

年間約105万円のうち、学校教育費が約75万円、学校外活動費が約30万円を占めます。学校教育費には、授業料・入学金・施設費・修学旅行費・教材費・通学費・クラブ活動費などが含まれ、学校外活動費には塾代や通信教育費、習い事、スポーツ・文化活動、検定受験料などが含まれます。

私立高校は校風や設備、進学指導などに力を入れている分、授業料や施設費が高くなりやすく、さらに部活動や塾通いを積極的にさせるほど総額が膨らみます。家計への影響を抑えるためには、「年間でいくらまでなら出せるか」をあらかじめ決めたうえで、学校選びと進学後の教育方針を考えておくことが重要です。私立高校ならではの費用の内訳については、次のパートで詳しく確認しましょう。

私立高校の授業料・施設費・その他費用

私立高校の学費の中心となるのが授業料です。文部科学省「子供の学習費調査」(令和3年度)によると、私立高校の学校教育費は年間平均約75万円で、公立高校の約2倍以上となっています。この学校教育費には、授業料のほか入学金、施設設備費、教科書・教材費、修学旅行費、通学費、クラブ活動費などが含まれます。

授業料に加え、入学金や施設費は入学時にまとまった金額が必要になる点に注意が必要です。学校やコースによって差がありますが、入学金で数十万円、施設設備費で年間数万円かかるケースも多く見られます。また、私立高校は指定の制服や靴、鞄、タブレット端末などの指定品が多い傾向があり、初年度は教育費が膨らみやすくなります。

このほか、修学旅行や研修旅行、クラブ活動の遠征費・合宿費、通学定期代なども継続的に負担することになります。進学先を検討する際は、パンフレットや学校説明会で授業料だけでなく「入学時納付金」や「年間諸経費」の合計額を確認し、3年間の総額をイメージしておくと資金計画が立てやすくなります。

公立との学費差と、総額がふくらみやすいポイント

私立高校は、公立高校と比べて3年間の総額がおおよそ2倍(公立約154万円/私立約316万円)になっています。大きな差を生むのは授業料や施設費などの「学校教育費」で、公立が年間約31万円に対し、私立は年間約75万円と、毎年40万円前後の差が出ます。

さらに見落としがちなのが、塾代や習い事などの「学校外活動費」です。公立でも3年間で約61万円、私立では約91万円と、私立のほうが高くなる傾向があります。特に学習塾費は、公立で年間約12万円、私立で年間約17万円が平均とされており、大学進学を意識して通塾回数が増えると、負担はさらに増加します。

総額がふくらみやすいポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 授業料・施設費など固定的にかかる学校教育費
  • 進学を見据えた塾・予備校費用
  • 部活動に伴う遠征費や用具代、指定品の多さ

公立か私立かの違いに加え、進学方針や部活動への参加状況によっても必要額は大きく変わります。入学前に3年間の総額をざっくりシミュレーションし、家計に無理のない範囲で選択することが重要です。

塾代・習い事など学校外活動費の実態

高校の学費は授業料だけでなく、塾や習い事・部活外の活動など「学校外活動費」によっても大きく変わります。文部科学省の調査では、公立高校で年間約20万円、私立高校で年間約30万円前後が学校外活動費としてかかっており、3年間の合計では数十万円単位の差になります。

学校外活動費の中で最も比重が大きいのが学習塾費です。公立・私立ともに、年間の学校外活動費の半分以上を塾代が占めるケースが多く、受験学年になるとさらに負担が増えがちです。塾以外にも、通信教育や家庭教師、英会話・ピアノなどの習い事、スポーツクラブ、検定試験の受験料、地域活動や国際交流など、多様な費用が積み重なります。

公立高校か私立高校かの違いだけでなく、家庭の教育方針や進路希望(難関大学受験、海外留学など)によっても学校外活動費は大きく変わります。高校進学後の家計負担を見誤らないために、授業料の比較だけでなく、「塾代・習い事をどの程度かけるか」まで含めて、あらかじめシミュレーションしておくことが重要です。

高校生の塾費用はいくらかかるのか

高校生になると授業内容が難しくなり、大学進学を視野に塾に通う生徒が増えます。文部科学省の調査によると、高校生1人あたりの塾費用(学習塾費)の平均は、公立高校で年間約12万円、私立高校で年間約17万円です。3年間続けて通う場合、単純計算で公立は約36万円、私立は約51万円が目安になります。

ただし、これはあくまで平均額です。集団授業メインの塾であれば月1万円台~2万円台程度のこともありますが、個別指導や難関大学対策コース、通塾教科数が増えると、月3万〜5万円以上かかるケースも珍しくありません。高3生だけ受験対策で一気に塾代が増える家庭も多いため、「高校3年間ずっと同じ金額」とは限らない点にも注意が必要です。

将来の進路や志望校レベルによって必要な塾通いの頻度やコースが変わるため、事前に年間費用の見積もりを取り、家計全体の教育費の中でどう位置づけるかを考えておくことが大切です。

習い事や検定試験にかかるお金

習い事や検定試験にかかる費用も、高校生活の教育費を大きく左右します。文部科学省の調査では、公立高校・私立高校ともに、スポーツ・文化系の習い事や地域活動、教養講座などに年間数万円程度を支出している世帯が多く見られます。公立高校では「その他の学校外活動費」が年間約3万円、私立高校では年間約5万7,000円と、私立のほうがやや高い傾向です。

具体的には、スポーツクラブや音楽教室、英会話などの月謝が5,000~1万円台、これにユニフォーム代や発表会費用、遠征費などが加わります。英検や漢検などの検定試験は、1回あたり数千円~1万円前後の受験料が必要で、複数回受験すると年間負担がふくらみます。

習い事や検定は将来の進路やスキルアップに役立つ一方で、無計画に増やすと教育費全体が想定以上に膨らみがちです。家計全体の予算を踏まえ、優先順位の高いものに絞ったり、回数やコースを見直したりして、無理のない範囲で続けられるようにすることが重要です。

家庭の方針で教育費がどう変わるか

家庭の教育方針によって、高校までにかかる教育費は大きく変わります。例えば「高校は公立で十分」と考えるか「中学から私立一貫校を目指すか」によって、学習塾の利用頻度や受験校の数、受験する模試の種類が変わり、トータル費用にも差が出ます。また、「部活中心で習い事は最低限にする」「英会話やピアノなど幅広く習わせたい」といった考え方の違いも、年間の学校外活動費を左右します。

教育費を無理なくコントロールするには、まず家族で「高校までにどの程度の水準の進学を想定するか」「受験や習い事にどこまでお金をかけるか」を大まかに共有しておくことが重要です。そのうえで、模試や検定は本当に必要なものに絞る、通信教育を活用して塾通いの回数を減らすなど、方針に沿って優先順位をつけると、将来の大学進学費用も見据えたバランスのよい教育費配分がしやすくなります。

大学受験にかかる費用もあわせて確認

高校の授業料や塾代だけでなく、高校3年生のタイミングでは大学受験費用が一気に増える点にも注意が必要です。大学受験では、大学への出願ごとに支払う受験料に加えて、共通テストの受験料、遠方受験なら交通費や宿泊費も発生します。さらに、受験対策として予備校・模試を利用する場合は、その費用も重なります。

文部科学省や各種調査をもとにした目安では、国公立・私立を数校ずつ受験すると、受験料だけで数万~十数万円になるケースが多く、交通費・宿泊費を含めた平均は約25万円というデータもあります。高校の授業料などと違い、大学受験費用は「高3の短期間に集中してかかる出費」であるため、高校入学前から少しずつ受験費用分も含めて準備しておくと家計への負担を抑えやすくなります。今後確認する共通テストや二次試験、私大の受験料の目安も踏まえて、高校3年間の教育費プランの中に大学受験費用を組み込んでおきましょう。

共通テスト・国公立二次試験・私大受験料の目安

大学受験では、出願する大学ごとに入学検定料がかかります。代表的な試験と受験料の目安は次のとおりです。

試験の種類 受験料の目安(2024年度相当)
大学入学共通テスト(3教科以上) 18,000円
大学入学共通テスト(2教科以下) 12,000円
国公立大学2次試験※ 17,000円前後(大学により1万円程度の場合も)
私立大学(医歯学部等を除く) 1校あたり3万~3万5,000円程度

たとえば、共通テスト+国公立大学1校+私立大学1校を受験するケースでは、合計で6万~7万円前後が一つの目安になります。複数の私立大学を併願すると金額はさらに増えるため、志望校の数を決める段階で、おおよその受験料総額もあわせて計算しておくと資金計画が立てやすくなります。

交通費・宿泊費など隠れたコスト

大学受験では、受験料以外にも交通費や宿泊費などの“見えにくい出費”が重くのしかかります。特に首都圏や地方都市の大学を複数受験する場合、家計への影響は小さくありません。

例えば、東京私大教連の調査では、私立大学受験にかかる「受験料+交通費+宿泊費」の合計は平均約25万円とされています。自宅から日帰りできない大学を受験する場合、新幹線代や飛行機代に加え、ホテル代や現地での食費、現地の移動費(電車・バス等)も必要です。

受験スケジュールによっては、連泊が必要になったり、親が付き添うことで1回の受験で数万円単位の追加費用が発生することもあります。志望校を決める段階で、オープンキャンパスや受験の候補日を確認し、受験校数や遠方受験の有無をシミュレーションしておくと、交通費・宿泊費も含めた総予算を立てやすくなります。受験料とあわせて、早めに「受験関連費」として積み立てておくことが重要です。

予備校を利用する場合の年間費用

大学受験対策で予備校を利用する場合、年間にかかる費用は大きな負担になります。公益財団法人生命保険文化センターなどのデータをもとにした一般的な目安では、入学金でおよそ3万円前後、授業料で年間50万円程度、季節講習費で20万円程度を見込んでおくと安心です。合計すると、1年間でおよそ70万円前後になるケースが多いといえます。

費用は、通う予備校の種類(大手か地域密着型か)、通学か映像授業か、受講する講座数やコース内容によって大きく変動します。難関大コースや医学部コースなどを選ぶ場合は、上記より高額になる可能性もあります。高校3年生になってから急に用意するのは難しい金額のため、高1・高2のうちから「予備校に通う前提」で年間数十万円を教育資金として積み立てておくと、家計への負担を軽減しやすくなります。

高校の学費を軽くする主な公的支援3つ

高校の学費負担を軽くするために、まず押さえておきたいのが公的な支援制度です。代表的なものは、授業料を直接支援する「高等学校等就学支援金」、高校入学前からコツコツ貯められる「児童手当」、授業料以外の費用をサポートする「高校生等奨学給付金」の3つです。

高等学校等就学支援金は、一定の所得要件を満たす世帯を対象に授業料相当額を支給する制度で、現在は全国の高校生の多くが利用しています。児童手当は子どもが生まれたときから受け取れるため、高校入学までのあいだ貯蓄に回せばまとまった教育資金になります。高校生等奨学給付金は、生活保護世帯や住民税非課税世帯などを対象に、教科書代や教材費といった授業料以外の負担を軽くする制度です。

どの制度も返還不要の支援である点が大きな特徴です。まずは自分の世帯がどの制度に該当するかを確認し、条件に合うものは漏れなく利用することで、高校の学費負担を大きく抑えやすくなります。次の見出しから、それぞれの制度の内容や対象、申請の流れを詳しく解説します。

高等学校等就学支援金制度の仕組みと対象

高等学校等就学支援金制度は、いわゆる「高校授業料の実質無償化」を目的とした国の制度で、返済不要の授業料支援が受けられます。対象は、日本国内の高等学校や高等専門学校、専修学校(高等課程)などに在学する生徒で、一定以下の所得である世帯です。

所得要件は、市町村民税をもとにした

市町村民税の課税標準額 × 6% - 市町村民税の調整控除額

30万4,200円未満 であることが基本条件です。多くの世帯がこの条件に当てはまり、文部科学省によると全国の高校生の約8割が制度を利用しています。

支援内容は「授業料相当額」を国が学校へ支払う仕組みで、保護者が受け取るのではなく、授業料から差し引かれる形で負担が軽くなります。国公立か私立か、また所得水準によって支給額の上限が変わるため、次の項目で具体的な金額の目安を確認しておくと安心です。

国公立高校で受けられる支援額の目安

高等学校等就学支援金を活用した場合、国公立高校では年間11万8,800円が上限として支給されます。現在の国公立高校の授業料はほぼ同額のため、支援金を受け取ることで授業料の自己負担は実質ゼロになるケースが一般的です。家計から支払う必要があるのは、入学金や教科書代、教材費、制服代、通学費など授業料以外の費用に絞られます。

なお、支援金を受け取るには、保護者の所得が一定額未満であることが条件です。目安となる年収は、子ども2人で片働き世帯の場合おおむね年収950万円未満(国公立の場合の基準)とされています。実際の判定は「市町村民税の課税標準額×6%-調整控除額」で行われるため、詳細な対象可否は自治体や学校から配布される案内や文部科学省の資料で確認することが重要です。授業料が実質無償になる分を、将来の大学進学費用の積立に回すと、進学後の家計負担を軽減しやすくなります。

私立高校で受けられる支援額の目安

私立高校で高等学校等就学支援金を受け取る場合、支給額は世帯の所得水準によって大きく変わります。目安となるのは、市町村民税に基づき算出される「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除額」です。

この算出額が154,500円以上~304,200円未満の世帯は、国公立と同じく年間118,800円まで支給されます。一方、算出額が154,500円未満の世帯は、私立高校の授業料負担をより軽くするため、年間396,000円(通信制は297,000円)まで支給されます。算出額が304,200円以上の場合は支給対象外です。

私立高校は授業料・施設費が高くなりがちですが、所得が一定水準以下であれば、就学支援金により「授業料の大部分がカバーされるケース」も少なくありません。志望校選びの段階で、世帯年収や市町村民税額からどの区分に当てはまりそうかを確認し、おおまかな実質負担額を把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

就学支援金の申請方法と受給までの流れ

高等学校等就学支援金は、基本的に「高校を通じてオンライン申請する仕組み」です。高校入学後、学校から配布される案内書類やID・パスワードを使って、保護者が専用サイトから申請します。紙での申請のみを受け付けている学校もあるため、手続き方法は必ず在学高校に確認しましょう。

申請の主な流れは、

  1. 高校から案内・申請書類(またはオンライン申請の案内)が配布される
  2. 保護者がマイナンバーカードの読み取りや個人番号の入力を行い、親権者全員の収入情報を登録
  3. 必要に応じて課税証明書などを提出
  4. 県や市が審査し、支給決定後、就学支援金が高校へ直接振り込まれる(保護者の口座には入金されない)

支給額は年1回まとめてではなく、原則として授業料への充当という形で月ごと・学期ごとに反映されます。申請が遅れると、それ以前の月分は受け取れない場合があるため、入学直後の案内があったタイミングで忘れずに手続きを済ませることが重要です。

児童手当拡充で高校入学までにためられる金額

児童手当は、うまく貯蓄に回せば高校入学までの大きな味方になります。現行制度では子ども1人あたり月1万~1万5,000円(条件により5,000円)が支給されており、2024年12月以降は所得制限が撤廃され、原則すべての子どもが対象となりました。また、支給期間が高校生年代まで延長され、第3子以降は月3万円へ増額されるなど、より手厚い制度になっています。

児童手当を原則として全額貯金に回した場合、0歳から中学卒業まで積み立てるとおおよそ200万円前後を用意できる計算です。高校の入学金や制服代、通学定期の購入費など、まとまった支出が多い時期の原資として心強い金額と言えます。

児童手当を生活費に混ぜてしまうと、いつの間にか使い切ってしまうケースも少なくありません。高校の学費準備に活用するには、受給口座とは別に教育資金用の口座を用意し、「振り込まれたらそのまま教育資金口座へ移す」など、あらかじめルールを決めておくことが重要です。こうした仕組み化により、家計に大きな負担をかけずに、高校入学時点でまとまった教育資金を確保しやすくなります。

高校生等奨学給付金(授業料以外を支援)の内容

高校生等奨学給付金は、高校の授業料そのものではなく、教科書代や教材費、通学用品代など「授業料以外の教育費」を支援する給付金です。生活保護世帯や住民税非課税世帯など、家計状況が厳しい世帯を対象としており、返済の必要はありません。

文部科学省が定める国の基準額では、年間の給付額は世帯の区分や公立・私立によって異なります。例として全日制の場合、住民税非課税世帯の第1子は、公立で年12万2,100円、私立で年14万2,600円、第2子以降はさらに増額されます。生活保護世帯向けにも、公立・私立それぞれ数万円規模の給付が用意されています。

給付金は、学校で必要な教科書・副教材・制服・通学用品・学校行事費など、授業料以外の支出に充てることを想定した制度です。なお、金額や細かな対象経費、支給方法は都道府県ごとに異なるため、実際に利用する場合は、居住地の教育委員会などで最新情報を確認することが大切です。

奨学給付金の対象世帯と申請時の注意点

高校生等奨学給付金の対象となるのは、生活保護世帯・住民税非課税世帯・家計急変により非課税相当になった世帯です。共働きか片働きか、扶養人数などにより非課税かどうかは変わるため、「うちは対象外」と思い込まず、市区町村の課税証明書で確認すると安心です。

申請時の注意点として、まず都道府県ごとに支給額や細かな条件・締切が異なる点が挙げられます。必ず在住自治体や学校から配布される案内を確認し、締切前に余裕をもって書類をそろえましょう。一般的には、課税証明書や生活保護受給証明、高校の在学証明・口座情報などが必要になります。

また、家計急変(離職・減収・災害など)の場合は、タイミングによって年間支給額が変わることがあります。家計に大きな変化があったときは、早めに学校か自治体の窓口に相談することが大切です。誤記や書類不備があると支給が遅れるため、記入内容は控えを取り、必要に応じて学校の先生や相談窓口に確認しながら進めるとよいでしょう。

公的支援で足りないときの資金調達方法

公的な就学支援金や奨学給付金を活用してもなお学費が足りない場合は、早めに「どう補うか」を検討しておくことが重要です。代表的な選択肢は、教育ローンの活用自治体独自の支援制度の確認の2つです。

教育ローンには、日本政策金融公庫が行う「国の教育ローン」と、銀行や信用金庫などが扱う「民間の教育ローン」があります。国の教育ローンは固定金利・長期返済で利用しやすい一方、世帯年収に上限がある点に注意が必要です。民間の教育ローンは所得制限がないものが多く、金利や条件も幅広いため、複数の商品を比較して選ぶことが欠かせません。

また、東京都や大阪府など、一部の自治体では独自の授業料免除・入学金補助制度を設けています。「就学支援金の対象外でも、自治体の制度で実質無償になるケース」もあるため、自治体の公式サイトで最新情報を確認しましょう。ローンを利用する場合は、返済額が家計を圧迫しないか、進学後の教育費も含めてシミュレーションし、無理のない範囲で借入額を決めることが大切です。

国の教育ローン(日本政策金融公庫)の特徴

国の教育ローンは、日本政策金融公庫が提供する公的な融資制度で、高校や大学などの教育費全般に使えるのが特徴です。高校の入学金・授業料だけでなく、受験料や受験のための交通費・宿泊費、自宅外通学の家賃、教科書代・修学旅行費などにも利用できます。

主な条件は次のとおりです。

項目 内容の目安
利用できる人 子どもがいる世帯(進学前・在学中どちらも可)
借入上限額 原則350万円(一定条件で最大450万円)
金利 年3.75%程度の固定金利(一定条件で▲0.4%優遇あり、保証料は別途)
返済期間 最長18年
世帯年収条件 子1人で年収790万円(所得600万円)以下など、子どもの人数に応じた上限あり

固定金利で長期返済ができるため、毎月の返済額を計画しやすい一方、所得制限があり、一定以上の年収がある世帯は利用できない点には注意が必要です。また、返済は子どもが在学中から始まるため、利用を検討するときは家計全体の返済負担を具体的にシミュレーションしておくことが大切です。

民間の教育ローンを選ぶときのチェックポイント

民間の教育ローンは商品数が多く、金利だけで選ぶと返済が苦しくなるおそれがあります。検討するときは、次のポイントを総合的に比較することが大切です。

  • 金利の種類と水準:変動金利か固定金利かを確認し、将来の金利上昇リスクも踏まえて選びます。目先の低金利だけで判断せず、返済総額もチェックしましょう。
  • 借入可能額・使い道(資金使途):入学金・授業料だけでなく、下宿費や通学定期代、受験料などに使えるか、パンフレットや約款で確認します。
  • 返済期間と毎月返済額:返済期間を長くすると月々の負担は軽くなりますが、利息の総額は増えます。家計の余裕と利息負担のバランスを見て設定することが重要です。
  • 保証料・事務手数料:別途保証料が必要な商品や、事務手数料が高い商品もあります。「実質年率(実質金利)」や返済シミュレーションで、トータルコストを比較しましょう。
  • 繰上返済のしやすさ:まとまったお金が用意できたときに手数料なしで繰上返済できるかも重要です。無料で回数制限なく繰上返済できる商品だと、利息を減らしやすくなります。
  • 申込条件(年齢・勤続年数・年収など):申込者の条件によっては審査に通りにくい場合もあります。自分の属性で利用しやすい商品かどうかを事前に確認しておくと、審査落ちのリスクを減らせます。

これらのポイントを踏まえ、複数の金融機関のローンを比較しながら、無理のない返済計画を立てることが重要です。

ローン比較サービスを活用して負担を減らす方法

教育ローンを検討するときは、1社ずつ資料請求や金利確認をすると時間も手間も大きくかかります。そこで活用したいのが、複数の銀行や信用金庫の教育ローンを一度に比較できるローン比較サービスです。代表的なサービスとして、SBIホールディングス系の「イー・ローン」と、クラウドローン株式会社の「クラウドローン」があります。

「イー・ローン」は70社以上・150件超のローンを掲載しており、金利や借入条件、申込条件などを一覧で比較できます。ランキングやシミュレーション機能もあり、希望条件に合う教育ローンを効率的に探せます。

「クラウドローン」は、提携保証会社による事前審査を行う点が特徴です。借入可能額の目安や通りやすい条件を事前に把握でき、条件に合う銀行から直接提案を受けられます。審査落ちの記録をむやみに増やさずに済むため、将来の住宅ローンなどへの影響を抑えつつ、より低金利のローンを選びやすくなります。

教育費の不足分をローンで補う場合は、比較サービスを使って複数の候補を洗い出し、金利だけでなく手数料や返済期間も含めて総返済額をチェックすると、家計への負担を抑えやすくなります。

自治体独自の授業料免除・入学金補助制度を調べる

都道府県や市区町村ごとに、高校の授業料や入学金を独自に支援する制度が設けられている場合があります。国の就学支援金の対象外でも、自治体の制度を使えば実質無償になるケースもあるため、公的サイトでの確認が重要です。

代表的な支援のイメージは次のとおりです。

自治体の例 主な支援内容
東京都 都立高校の授業料免除(国の就学支援金の対象外世帯向け)
神奈川県 県内高校の入学金・授業料の補助(就学支援金の上乗せ)
大阪府 所得制限で国の支援が受けられない世帯に対する授業料無償化の拡充

制度の有無や条件は自治体ごとに違うため、

  • 住んでいる自治体の公式ホームページ(「高校 授業料 補助」「学費支援」などで検索)
  • 県・市の教育委員会のページ
  • 中学校・高校から配布される案内資料

を早めにチェックしておくと安心です。所得基準や申請期限、必要書類(課税証明書など)が細かく定められているため、高校受験の年になる前から情報収集を始めることが、教育費のムダな負担を防ぐポイントです。

教育費負担に関する世帯アンケートから見えること

高校の学費は、公的支援や自治体の制度を活用しても、保護者にとって大きな負担になりやすい支出です。オカネコが2025年2月に実施したアンケートでは、8割以上の家庭が物価上昇や教育費の値上がりの影響を感じていると回答しました。学費(学校関連費用)や習い事代に「負担を感じる」と答えた世帯も7割超となっており、多くの家庭で教育費が家計を圧迫していることがうかがえます。

さらに、今後の教育費に不安を感じている家庭は約7.5割と、高校から大学までの進学費用を十分に用意できるかを心配する声も少なくありません。こうした結果から、学費は「なんとなく払っていく」のではなく、早い段階から具体的な金額と備え方を把握し、計画的に準備する必要がある支出だと分かります。次の見出しでは、とくに物価高が教育費に与えている影響について、もう少し詳しく見ていきます。

物価高で教育費に不安を感じる家庭の割合

物価上昇が続くなか、教育費への不安を感じる家庭は少なくありません。オカネコが2025年2月に実施したアンケートでは、「物価上昇」やそれに伴う「教育費の値上げ」の影響を感じている家庭が8割以上にのぼりました。学費(授業料や教材費などの学校関連費用)や習い事代について「負担を感じる」と答えた人も、それぞれ7割を超えています。

さらに、今後の教育費全体に不安を感じている世帯は約7.5割と、多くの家庭が将来の負担増を懸念していることが分かります。公的支援の拡充が進む一方で、物価高により学校関連費や塾代、交通費などの支出が増えており、「制度はあっても実感としてはまだ苦しい」という声が多いのが実情です。教育費の不安を軽減するには、支援制度の活用と同時に、早めの資金準備や家計の見直しが重要になります。

将来不安を減らすために早めに確認したいポイント

教育費の将来不安を小さくするには、「いつ・いくら必要になるか」「どこまで支援が使えるか」「足りない分をどう準備するか」を、できるだけ早く把握しておくことが重要です。特に高校入学の数年前までに、教育費の全体像をざっくりでも数値で見える化しておくと、毎月の貯蓄額や投資額の目安を立てやすくなります。

早めに確認しておきたい主なポイントは、次の4つです。

  • 公立・私立それぞれに進学した場合の高校3年間+大学進学までの総額
  • 高等学校等就学支援金、児童手当、高校生等奨学給付金、自治体独自制度など、自分の世帯が利用できる公的支援の有無と金額
  • 現在の貯蓄額と、今後毎月どの程度なら教育費に回せるのかという家計の余力
  • どうしても不足する場合に備えた、教育ローンを含む資金調達の選択肢

これらを早めに洗い出すことで、無理のない貯蓄計画を立てやすくなり、「直前になって慌ててローンに頼る」といったリスクを減らせます。次の項目では、具体的な学費の準備方法を紹介します。

高校の学費を準備する具体的な方法

高校の学費を「なんとなく不安」から「具体的な数字」に落とし込めると、必要以上に心配せずに準備しやすくなります。準備の手段は大きく分けて、貯金・投資・保険・公的支援+ローンの4つです。

高校だけなら、児童手当や就学支援金を活用することで、家計負担はある程度抑えられます。一方で、多くの家庭が高校卒業後の大学・専門学校までを見据えて資金計画を立てる必要があります。そこで、高校入学までの「短〜中期」で貯めるお金と、高校卒業後も見据えた「中〜長期」で増やすお金を分けて考えるのがポイントです。

短〜中期で確実に準備したい分は、専用口座での積立貯金や学資保険・貯蓄型保険を中心にし、時間に余裕がある分はNISAを使った長期積立投資で増やすイメージです。まずは『いくら必要か』『いつまでに必要か』を整理し、その上でどの手段をどの割合で使うかを決めると、無理のないペースで準備しやすくなります。

次の見出しからは、

  • 積立貯金での準備方法
  • NISAを使った長期積立の考え方
  • 学資保険・貯蓄型保険のメリットと注意点
  • それらをどう組み合わせるか

を順番に解説していきます。

専用口座を作り積立貯金でコツコツ準備する

教育資金用の“専用口座”を分けるメリット

高校の学費を貯めるときは、生活費と同じ口座に貯めず、教育資金専用の口座を1つ作るのがおすすめです。給与振込口座と分けておくと、「うっかり引き出してしまう」ことを防ぎやすく、どのくらい教育費が貯まっているかも一目で確認できます。教育資金専用の口座を決めておくことで、ボーナスや児童手当、お祝い金なども迷わず入金でき、目的別の家計管理がしやすくなります。

積立額の決め方とシミュレーションの目安

積立貯金は、月々の金額とゴールを先に決めると計画を立てやすくなります。例えば、「高校入学までに100万円」「高校3年間でさらに50万円」など、必要時期から逆算して毎月の積立額を算出すると無理のないペースをイメージしやすくなります。

例:中学1年から高校入学までの3年間で100万円貯めたい場合

  • 100万円 ÷ 36か月 ≒ 月約28,000円

家計の固定費や他の貯蓄目標も踏まえ、続けられる金額に調整することが大切です。まずは無理のない金額で始め、収入増や支出削減ができたタイミングで増額する方法もあります。

自動積立機能を使って“先取り貯金”にする

積立貯金を長く続けるコツは、「余ったら貯める」ではなく「先に貯めて残りで暮らす」仕組みにすることです。給与の振込日直後に指定額を自動で教育資金用口座へ振り替える「自動積立(自動振替)」機能がある銀行を選ぶと、ほぼ手間なく先取り貯金ができます。

スマホで残高が簡単に確認できるネット銀行なら、積立状況もチェックしやすく管理もしやすくなります。最低積立額が少額(例えば月1,000円〜)から設定できる金融機関を選べば、家計に負担をかけずにスタートしやすいでしょう。

金利の高い銀行を選んで効率よく増やす

教育資金を普通預金に置いたままだと、金利がほとんど付かない場合も多いため、金利の高い銀行や定期預金を活用することもポイントです。特にネット銀行では、一定条件を満たすと普通預金でも比較的高い金利が適用されるケースがあります。

銀行名 商品例 金利の目安(年利・税引前)*
SBI新生銀行 スタートアップ円定期預金 約1.1~1.4%
東京スター銀行 スターワン円定期預金プラス 約0.35~1.35%
あおぞら銀行 BANK The 定期/BANK口座 約1.0~1.5%(定期)

*2026年6月時点の情報。金利は変動するため、利用前に各銀行の最新情報を確認することが必要です。

普通預金で流動性を確保しつつ、一部を定期預金に回すなど、「いつでも引き出せるお金」と「使う時期が決まっているお金」を分けて運用すると、安心感と利息の両方を取りやすくなります。

NISAを使った長期積立投資で増やしながら備える

NISAは、教育資金を「貯める」と同時に「増やす」ことをねらえる制度です。通常の投資では、運用益に約20%の税金がかかりますが、NISA口座での運用益は非課税のため、同じ利回り・同じ積立額でも、長期になるほど手元に残るお金が大きくなります。お子さんが高校生になるまで10年以上ある家庭ほど、NISAを活用した長期積立投資の効果が期待できます。

教育資金目的でNISAを使う場合は、「長期」「分散」「低コスト」を意識するとリスクを抑えやすくなります。具体的には、株価指数に連動するインデックス型の投資信託を選び、毎月一定額を機械的に積み立てる方法が代表的です。購入タイミングを分散することで「高値づかみ」のリスクを抑え、価格変動のブレをならす効果も見込めます。

一方で、NISAは元本が保証されない点が預金と大きく異なります。高校入学直前の数年は、相場急落に備えて、積み立てた資金の一部を預金など安全性の高い商品に移すなど、「運用期間」と「使う時期」から逆算した計画が重要です。まずは家計の生活防衛資金(生活費3〜6か月分程度)を確保したうえで、無理のない範囲で教育資金の一部をNISAで運用するイメージを持つと良いでしょう。

学資保険や貯蓄型保険を利用するメリット・注意点

学費を計画的に準備したい家庭のなかには、銀行預金やNISAに加えて、学資保険や貯蓄型保険を活用するケースも少なくありません。保険を使う最大のメリットは、「貯蓄」と「万一への備え」を同時に確保できる点です。契約者である親が死亡・高度障害状態になった場合、多くの学資保険では以後の保険料が免除され、満期学資金は予定どおり受け取れます。親に万一のことがあっても、子どもの進学資金を確保しやすい点は大きな安心材料です。また、満期や高校入学時など、受取時期と金額があらかじめ決まっているため、計画どおりに学費を用意しやすいという特徴もあります。

一方で、途中解約時のデメリットは必ず理解しておく必要があります。多くの学資保険や貯蓄型保険は、契約早期に解約すると解約返戻金が払い込んだ保険料総額を下回ることが一般的です。家計が苦しくなり保険料を継続できなくなると、元本割れのまま解約せざるを得ないリスクがあります。そのため、保険を利用する際は「今の家計で完済まで無理なく払い続けられる金額か」「教育費以外の生活防衛資金は別に確保できているか」を事前に確認することが重要です。

また、近年は学資保険に代わり、低解約返戻金型終身保険などの貯蓄型保険を教育資金目的で活用する方法も増えています。終身保険を一定期間払込後に解約して学費に充てる、あるいは必要に応じて一部だけを解約するなど、使い方の柔軟性が比較的高い点が特徴です。ただし、商品によって返戻率や保障内容、解約時期による有利・不利が大きく異なります。複雑な仕組みの商品も多いため、パンフレットだけで判断せず、FPや保険会社の担当者から「いつ・いくら受け取れるのか」「どの時期に解約すると損をしやすいのか」を具体的に確認してから加入することが望ましいでしょう。

貯金・投資・保険をどう組み合わせるかの考え方

教育資金づくりでは、「いつ・いくら必要か」から逆算して、貯金・投資・保険の役割を分けて考えることが大切です。

まず、安全性を重視したい直近5年分程度の教育費(入学金や制服代など)は、普通預金や定期預金などの「貯金」で準備すると安心です。元本割れの心配がなく、必要になったタイミングで引き出しやすいことがメリットです。

高校入学まで10年以上あるなど時間の余裕がある分については、NISAを使った投資信託の積立など「投資」で増やすことも検討できます。長期・分散・積立を基本にすれば、リスクを抑えながら教育費の上乗せを狙いやすくなります。

一方で、親に万一のことがあったときに備えるお金は、学資保険や低解約返戻金型終身保険など「保険」でカバーする方法が有効です。保険料免除の特約があれば、保護者が死亡・高度障害になった場合も、その後の保険料負担なく満期保険金を受け取れる可能性があります。

まとめると、

  • 短期・確実に必要なお金:貯金
  • 中長期で増やしたいお金:投資
  • 万一に備えるお金:保険

というように目的別に3つを組み合わせると、自分のリスク許容度に合った教育資金計画を立てやすくなります。最初から完璧を目指さず、「まずはいくらを貯金・投資・保険に振り分けるか」をざっくり決め、年1回見直していくと現実的です。

家計全体を見直して教育資金を確保する

高校・大学までの教育資金を無理なく準備するには、学費だけを個別に考えるのではなく、家計全体を俯瞰して「お金の流れ」を整えることが重要です。毎月いくら教育費に回せるかは、収入額だけでなく、住居費・保険料・通信費・車関連費などの固定費のかけ方に大きく左右されます。

家計簿アプリやネットバンキングの明細を使い、1か月〜1年分の支出を「固定費」「変動費」「特別支出(旅行・冠婚葬祭など)」に分けて整理すると、教育費に充てられる余力が具体的に見えてきます。そのうえで、前の章までで検討した貯金・NISA・学資保険などへの毎月の積立額を家計に組み込める水準に調整すると、途中で挫折しにくくなります。

また、教育資金だけを優先しすぎて老後資金や予備資金が不足すると、将来別の不安につながります。教育費・老後資金・住宅ローン返済などを並べてバランスを確認し、「どの目標にいくら配分するか」を決めたうえで積立設定を行うと、家計全体として無理のない計画になりやすくなります。

家計の健康状態をチェックするポイント

家計の健康状態を確認する際は、なんとなくの感覚ではなく、数字で「現状把握」をすることが重要です。まず行いたいのが、毎月の収支と貯蓄額の把握です。家計簿アプリやエクセルなどを活用し、「手取り収入」「固定費」「変動費」「毎月の貯金額」を3か月分ほど書き出すと、家計の傾向が見えやすくなります。

次にチェックしたいのが、生活防衛資金と貯蓄率です。生活防衛資金は、万が一収入が途絶えても生活できるように備えるお金で、目安は生活費の3~6か月分以上です。また、手取り収入に占める貯蓄・投資の割合(貯蓄率)が10~20%確保できているかどうかも、教育資金を貯めるうえで重要な指標になります。

さらに、負債の状況(住宅ローン・カードローン・リボ払いなど)と保険料の負担も確認しましょう。高金利の借入がある場合や、保障内容に比べて保険料が大きすぎる場合は、教育資金の準備を圧迫している可能性があります。これらの項目を一通りチェックしたうえで、どこを優先的に見直すと教育費を確保しやすいかを整理していくと、次の「固定費の見直し」にスムーズにつなげられます。

固定費の見直しで教育費のゆとりをつくる

家計の健康状態を確認したら、次のステップは毎月の支出のうち「固定費」を見直すことです。固定費は一度下げると効果が長く続くため、教育費のゆとりを生み出しやすいのが特徴です。

代表的な固定費と見直しのポイントを整理すると、次のようになります。

固定費の種類 見直しの例
通信費(スマホ・ネット) 格安SIMへの乗り換え、不要なオプション解約、家族割の活用
保険料 保障内容の整理、重複保障の解消、掛け捨て型への切り替え検討
住宅関連費(家賃・住宅ローン・光熱費) ローンの借り換え、不要な駐車場解約、電気・ガス会社のプラン見直し
サブスク(月額サービス) ほとんど使っていない動画・音楽・アプリの解約

例えば、スマホを家族3人分見直して1台あたり月3,000円削減できれば、年間で約10万円の節約になります。この節約分をそのまま高校資金の積立やNISAへの積立に回すと、数年後には大きな差になります。教育費に不安がある場合ほど、まずは固定費をリストアップし、「今の生活に本当に必要か」「より安くできないか」を一つずつ確認することが重要です。

ファイナンシャルプランナーに相談するメリット

家計全体のバランスを見ながら教育費を準備するには、専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談することも有効です。FPに相談すると、教育費だけでなく、住宅ローンや老後資金も含めた長期のライフプランを数字で見える化できるため、「どこまで教育費に回してよいか」が把握しやすくなります。

また、FPは高等学校等就学支援金や児童手当、高校生等奨学給付金などの公的制度に加え、自治体独自の支援策・奨学金・教育ローンなどの情報にも詳しい場合が多く、利用できる制度を漏れなく教えてもらえる点もメリットです。固定費の見直しについても、保険の過不足や住宅ローンの借り換え、通信費の削減など、家計の状況に合った具体策を提案してもらえます。

中立的な立場のFPであれば、特定の商品を前提とせず、「貯金・NISA・保険」をどう組み合わせるかといった資金準備の方針も一緒に考えてくれます。教育費に不安がある場合は、無料相談やオンライン相談をうまく活用し、早めに第三者の視点を取り入れると、家計管理の方針が明確になりやすくなります。

高校・大学進学のお金に備えるためのまとめ

高校や大学の進学費用は、公立か私立か、塾や習い事の有無などによって総額が大きく変わります。文部科学省の調査では、高校3年間の学費は公立で約154万円、私立で約316万円が平均ですが、大学受験料や予備校費用まで含めると負担はさらに増えます。

一方で、高等学校等就学支援金制度や高校生等奨学給付金、児童手当の拡充、自治体独自の補助制度など、公的な支援も年々充実しています。条件を満たせば国公立高校の授業料は実質無償、私立でも年39万6,000円まで授業料が補助されるケースがあり、制度を使いこなすかどうかで必要な自己負担額は大きく変わります。

不足分は、専用口座での積立貯金・NISAを使った長期積立投資・学資保険や貯蓄型保険などを組み合わせて準備するのが現実的です。同時に、教育ローンを利用する場合は、国の教育ローンと民間ローンの違いを比較し、金利や返済期間、世帯収入への影響を踏まえて慎重に判断することが重要です。

教育費は家計全体のバランスの中で考える必要があります。毎月の収支、貯蓄額、老後資金、住宅ローンなどを含めてライフプランを整理し、「今いくら準備できていて、あといくら・いつまでに必要か」を数字で把握すると、不安が具体的な行動に変わります。自分たちだけでの判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーへの相談も選択肢になります。

高校・大学進学に向けて早めに情報収集を行い、公的支援を最大限活用しながら、無理のない範囲で貯金・投資・保険を組み合わせることが、将来のお金の心配を減らす近道と言えるでしょう。

高校の学費は、公立・私立の違いだけでなく、塾代や部活動費、大学受験費用など学校外のお金も含めて考える必要があります。本記事では、平均的な学費の目安と、公的支援3つ(就学支援金・児童手当・奨学給付金)、さらに教育ローンやNISA・保険を使った準備方法を整理しました。早めに情報を押さえ、家計全体を見直しながら、無理のない範囲で計画的に教育資金を準備していくことが、将来の不安を減らすポイントといえます。